教えて、むーさん!Q&A16~『裏抜き』について
皆さんのお手持ちのリングの中に、画像のように内側の金属をえぐり取ったようなものはありませんか?
これは『裏抜き』と言います。
先日、この『裏抜き』に関して「これはどういう意味でするものなのですか?」と聞かれました。
結論から申しますと、このように加工する最大の理由は「金属の重さを落とす」ことにあります。
ここで注意しておきたいことは、悪意を持って裏抜きするわけではないということです。 (※)
ジュエリーの場合、品物の重さが金額に影響します。何グラム貴金属を使っているか、その重さに単価を掛けるわけですからね。
考え方としては「無駄な部分を取り除く」といった感覚でしょうか。
必要以上に裏抜きして軽くしようというわけではないんです。
(※)中には残念なものもあります。ペラペラになるまで裏抜きしているものや、裏抜きした残りの縁にエッジやバリがあったり。
このような品は本来の裏抜きの意味合いとは一線を画します。ご注意を。
ジュエリーでは、見た目と同時に手にとった時の重さも大事です。
あまりに軽すぎると、なんだか安っぽい感じがしませんか?
かといって、無駄に重たいと金額は上がるし、着けた時に重たいし
つまり、『裏抜き』では適度な重みを残しつつ、無駄な肉はとっちゃいましょう、という工程なのです。
裏抜きをする品・しない品の基準は様々ありますが、基本的に『裏抜き』する部分はリング真横から上部にかけてです。リング1周とか、真下に近いところまですることはありません。
高さや幅のあるところで裏抜きすることが多いのですが、高さや幅があるのが真横~真上にかけてだからです。【画像参照】
と、いうわけで、『裏抜き』してある品はイコール粗悪品とは思わないで下さい。
逆に作り手の意見を言わせていただきますと、この『裏抜き』という作業、実は時間と手間が掛かるんです、手の疲労も大きいんです。その手間を惜しまずに手を入れてるんだな
と思っていただければ嬉しいです
そんな、『裏抜き』に関するお話でした。
ではまた
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