このピアスは、チタン製です。
金属アレルギーをお持ちのお客様より、一番アレルギーの出にくいといわれるチタンでご注文いただきました。
けっこうアレルギーある方多いんですよね。
せっかくなので、今日はアレルギーについてお話しましょう。
「私ゴールドはアレルギーが出るの。だからプラチナで」
などと言われる方がいます。
ところが、金やプラチナは貴金属の中でもアレルギーが出にくい素材なんです。
実は銀も。
では、どうしてアレルギーが出てしまうのでしょう?
ジュエリーでは18金やプラチナ900、シルバー925辺りがよく聞く素材だと思うのですが、これらは純素材に別の金属を混ぜ合わせた合金です。
純素材は非常に柔らかい為、強度や加工に問題があるので、硬くしたり色をきれいに見せるために別の金属(=割り金)を混ぜます。
その割り金の中にアレルギー反応が出やすい金属が混じっているからアレルギーが起きると考えてよいでしょう。
【アレルギーの出やすいランキング】
1 水銀 ~出やすい~
2 ニッケル ↑
3 コバルト
4 スズ
5 パラジウム
6 クロム
7 銅
8 銀
9 プラチナ
10亜鉛
11金 ↓
12チタン ~出にくい~
(※ここにはありませんがステンレスも非常に出にくいとされています)
地金専門の業者さんん曰く
「チタンでアレルギーが出ちゃったらお手上げだね。。。」
とのこと。
ランキングの通りチタンが一番出にくいのは確かなのですが、「絶対出ない」ではなく「出にくい」ということなのでご注意を。
そもそも何故アレルギーは起きるのでしょう?
金属アレルギーは人間がもつ抗体反応の一種で、金属に触れたり身に着けたりすると、皮膚が痒くなったり赤くなったりします。
これは普段身に着けているアクセサリーや日用品に使われている金属が汗や体液によって溶けだしイオン化し、それが体内に入り、次に同じ金属が接触すると拒絶反応を起こし皮膚がかぶれる状態のことをいいます。(アレルギー性接触皮膚炎といいます)
症状は個人差も相当で、人によってアレルギーが出る金属・出ない金属も違いますし状態も異なります。
・・・ということはアレルギーになりやすい金属というのは、つまり酸や液体などによって溶けやすい金属、ということになりますね。
純銀や純金、純プラチナは溶けにくい金属なんです(=アレルギーになりにくい)
アレルギーは体質や様々な外的要因によって起こり、また突然起こるものなので誰にでもなりうる可能性はあるのですが、その中でもなりやすい傾向として
・汗かきの人(汗は酸性なので触れた金属が溶ける)
・皮膚の弱い人
といわれます。
またアクセサリーの中でも特に出やすいのは(ピアス)です。
身体の内部に直接触れるわけですからね。
特にピアスを空けた直後というのは言い替えれば、キズがついた患部に金属が直接触れることになるわけですから要注意です!
ひとつ注意していただきたいのは、アクセサリーを長時間身に付けてお風呂に入ったり洗い物をしたりした場合や、しっかりと手入れされていないアクセサリーをそのまま身につけ、細菌などで皮膚を刺激してしまい、皮膚が赤くかぶれてしまうことが良くあります。
これはアレルギーではありませんのでご注意を。
金属アレルギーは一度出てしまうと現状治癒は難しいかと思います。
治療法も確立してないですしね。
病院のパッチテストでどの金属がアレルゲン(病因因子)なのかを専門医に診断してもらい、原因の金属を知る事が重要かと思います。
基本的に原因となる金属に触れなければ防ぐことが出来ます。
アレルギーの疑いがある人は出来るだけその金属を装着または接触しないことが重要です。
もしアクセサリーを身につけていて赤くなったり、かぶれたりしたらすぐに使用を止め
お医者さんに相談しましょう。
「じゃあ、ジュエリー作る人も純素材で作ってくれればいいのでは?」
・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、最初に述べたように純素材のプラチナ・金・銀は非常に柔らかいので、強度の維持や加工が難しいんです。
ですので適度な硬度を持たせるために割り金を混ぜるのです。
最後にアレルギーが心配な方へワンポイントアドバイス
割り金がアレルギーの要因ということは、逆にいえば割り金が少ない、つまり純度の高い素材を選ぶこともひとつの方法です。
絶対出ないわけではありませんが、出る確率が低くなるのは間違いありません。
実際、これまでアレルギーが心配な方のご注文でプラチナ900・950、18金などで作らせていただいてその後アレルギーのご報告は当店ではほとんどありません。
(※ただし、シルバー925については、純度は高めですが金やプラチナよりアレルギーの反応は出やすいようです)
アレルギーをお持ちだけどアクセサリーを着けたい、作りたい人、一緒に良いアイデア考えますのでお気軽にご相談下さい。
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