製作工程日記④~穴あけと磨き~
工程3でフォルムを完成させ、ここから細かい仕上げ作業に入っていきます。作り手の感覚としては、工程3までは作業もダイナミックに大きく、工程4以降は繊細に作業を進めていく感覚となります。なのでここからは神経をかなり使う作業が続きます。
(A;´・ω・)
←ここからとても活躍してもらう機械がこちらの『リューター』です。モーターの力で回転させ、磨き・傷取り・穴あけなど様々な場面で使います。
ここから先はリューターがメインの道具(工具)となります。
(○`・ェ・)ノ
先ずは、中心の印に貫通穴を開けましょう。開けてしまえばここから先は中心の位置が明確になりますからね!
ドリルの刃をリューターにセッティング。
細いドリルの刃で穴を開けてそれから石のサイズにあわせて穴を大きくしていきます。
※この、ダイヤを埋め込む場所に開ける穴を『下穴』といいます。この下穴の位置に石を留めることになるので、穴を開ける位置がずれることは絶対にNGです
※下穴は基本的に入れる石より小さな直径となります。最終的には石を入れる際に石と同じ大きさの溝を開けますが、それは石留めのプロ『石留め職人』さんにお任せします。
リングの幅の中点に、且つ品物に対して垂直に開けねばなりません
ドリルの刃は直径0.5mm。簡単に折れてしまうため、ゆ~っくりゆ~っくりリューターを回転させドリルを回します・・・(`・∞・´)
なんとか無事開きました。(・∀・)v
貫通の瞬間が一番ドリルの刃が折れる可能性が高いので、開く瞬間には超超超~神経を集中させます(☆_☆)
因みに。ドリルの刃が穴あけ途中で折れると悲惨です。折れて中に残されたドリルの刃を取るのは容易ではありません (ToT)
幾つか取る方法はありますが、製作を再開するまでに相当の時間がかかります。へたすると翌日とかになります。この時間のロスは相当痛いので、だからこそ穴開けにはかなりの神経を使うのです
パヴェ留めの品物など、たくさん石が彫り入れられた品をお持ちの方、大概は下穴が開いているはずです。その穴の数だけ職人の業と集中力が刻まれているのです(v^ー゜)
中心に穴を開けたら細かいキズを取りつつ、磨きの工程も始めていきましょう。
これらをリューターにセットして、今度は高速回転させて磨いていきます。
シリコンゴムなどが主な素材です。
『歯医者さんで見そうな道具ね~』なんて言われるお客様もよくおられます。
その通りこれらの中には歯医者さんで使用されてるものもいっぱいあります。(・∀・)
逆に、むーさんが歯医者にいくと『俺の使ってるのと同じだ!』と思ったりするわけです。だったら、自分で歯の治療できるじゃん!と安易に考えたりするのです。
どうしようもない。(○´3`)ノ
最初はキメの粗い素材から始まり、徐々にキメの細かい素材に移行していきます。
そして、キメの細かい素材ほど品物が光っていくのです
リングなら、内側・側面・表面と満遍なくシリコンをあてていきます。
日記3の最後の状態と比べるとかなり光沢がでてるのがこの段階でも分かりかと思います。
・・・でも、ホントに光らすとこんなものじゃありませんよ
この段階ではまだ半分くらいの光沢です(*^ー゚)b
ある程度磨いたら、こちらの品物はミルを施し脇石も彫り留めするのでそちらの準備にとりかかります。
先ずはミルを彫り入れるラインをマジックにて書いていきます。
あこの写真、ちょうど良いので補足説明させていただきますと、下穴はリング内側からみても中点に開いてないとダメです。開けてみたら穴がずれてたりすることがないように注意しなければなりません。
皆さんにご紹介できるような穴が開けられてよかった・・・( ´_ゝ`)
回転スピードはこの足元のペダルの踏み込みで調整します。踏み込みが深いほど回転も上がります。
ドリルの穴あけでは、ゆっくり回転させながら穴を開けるので、時間が経つにつれて足がプルプルすることもあります(笑)
マジックで場所を決め、決まったら先の尖った道具で印をつけてやります。
中心に比べて周りの穴が小さいのは、中心より小さい石が入るということです。
すでにこちらの写真では見えてしまってますが、今日はここまでにして次回はリング内側に刻印を打っていきます。そして、石留め作業へと移行していきます。
※石留めは、別の職人さんにお願いするため作業風景はありません。どうぞご了承下さい。
でも、そのうち作業風景を撮らせてもらいたいな♪
では、次回もどうぞお楽しみに♪
製作工程日記⑤へつづく
| 固定リンク
コメント